こんにちは!宇佐市の歯医者、たきがみ歯科クリニックの、歯科医師の瀧上洋平です。
今回はお口の中の粘膜異常についてです。タレントさんの口腔がんの報道などに触れ、お口の粘膜の健康状態が気がかりなかたが増えていると思います。ただ、そうは言っても珍しい病気だし、異常があれば自分で気づくだろうとお思いの方は多いかもしれません。
しかし、患者さんご自身がお口の粘膜異常に早期に気づくのはとても難しいことです。口腔がんは初期には痛みがなく、ある時点で急にスイッチが入ったように大きくなります。そのため実際のケースでは、痛みや痺れが出るほど進行してから異常に気づく方が多いのです。これに加え問題を複雑にするのが口の中は食べ物や被せ物、入れ歯などの刺激を常に受けているという事です。しかも、口の中はただでさえキズを作りやすい場所になります。またがんの表層構造が複雑で、良性の粘膜病変との鑑別が非常に難しいという事も口腔ガンの特徴です。
国内の口腔ガンは増加傾向にあり、低年齢化も指摘されています。この状況下で早期発見をしていくには、かかりつけ歯科医院に普段から通っていただく事、そして気がかりな変化には細胞診検査を受けること、この二つの浸透が早期発見の鍵を握ると考えています。